仕事・時間管理

能率・効率・生産性の違いとは?考え方の基本と見分け方のコツ

目次

能率・効率・生産性の違い

業務フローの改善などでよく使う言葉なので、混合しないように、整理しておきます。
「能率・効率・生産性」の3つです。
現状の業務フローと理想の業務フローを見比べたとき、この改善は、能率なのか?それとも効率なのか?生産性を上げようとしているのか?見分けが付けられるようになりましょう。
そうすることで、目的に沿った改善が出来るようになります。

それぞの言葉の意味と、具体例を解説します。
具体例ではわかりやすいように、パソコンのタイピングを例にして、3つの違いを説明します。

能率とは?

能率とは 一定時間にできる仕事の割合。仕事のはかどり方。作業量の効率。

タイピングが速い人は能率が高く、遅い人は能率が低いということです。
作業が速いか、遅いかの違いです。純粋な作業スピードのイメージです。

効率とは?

効率とは 使った労力に対する、得られた成果の割合。

良く使う言葉を、予測変換に登録しておきます。
そうすることで、より少ないタイピング数で文字が入力できます。つまり、ボタンを1回クリックする労力だけで、複数の文字が打てるようになるので、効率が良くなったと言えます。

生産性とは?

生産性とは 生産量に対する投入量の割合。

どのくらいの投入量(インプット・費用)をかけて、
どのくらいの生産量(アウトプット・成果)を上げたのか?

次の、AとBはどちらが生産性が高いでしょうか?

A. タイピングの練習、予測変換の単語を登録、速くタイピングできるようにトレーニング。タイピングが速くなるまでに半年かかる。

B. 音声入力用のマイクを購入し、タイピングしなくても、文字が入力できるようにする。その日から入力が速くなる。

Aの場合
育成するための、時間、費用、半年というタイムラグがある。

Bの場合
2000円くらいのマイクを購入し、パソコンに設定すると、その日から音声で入力できる。

生産性の高い状態とは、より少ないインプットで、より多くのアウトプットが出来ている状態です。

つまり、Bの音声マイクの方が、生産性が高いということになります。

見分け方と違いについて


能率、効率、生産性は、それぞれ割合の話です。
何かに対してどの程度「良い」のか「悪い」のか?

ということです。

割が良い状態とは?

まず、割がいいとはどういう状態か?

割がいいとは 他と比べて得。有利な状態

「 この仕事は割がいい」というように、よく使う言葉です。
「働く内容や時間」の割に「給料が高い」ということを「割がいい」状態です。

【具体例】
1か月 9時~16時働く場合
AとBどちらを選びますか?

A 快適な室内で椅子に座り、人が来たら案内図を渡す仕事 1万円/1日
B 炎天下で1日中重いものを担いで運ぶ仕事 5千円/1日

私は、Aの仕事を選びます。
特別な理由がない限り、Aを選ぶと思います。

ちなみに、図にすると、以下のような図になります。
縦が労力で横が報酬です。

見分け方のポイント

ポイントは、何と何を比較して、割が良い状態と判断しているのかが、ポイントです。
能率、効率、生産性はそれぞれ何と何を比較しているのか順番に見ていきます。

能率

作業時間と、成果をみたら、作業の品質がわかる

具体例)
・段ボールの組み立て作業 1時間に50個
・音声データのテキスト化 1時間に3000文字
・手書きで宛名書き    1時間に30枚
・商品の梱包作業     1時間に20個

1時間で、より多くの成果をあげられたら、能率が良いということ。

 

効率

業務全体と、成果をみたら、業務の品質がわかる

具体例)
・梱包作業を行うための導線を整えて、かかる時間を短くする
・配達する道順を最短距離にして燃費の消費量を少なくする
・毎日の報告書作成をプログラミングで自動化する
・手書きの宛名書きをプリンターで行う

より少ない労力で、同じ成果を上げられたら、効率が良いということ。

 

生産性

インプット全体と、成果をみたら、仕事の品質がわかる

具体例)
・業務工程を見直して、不要な業務を辞める。それにかかる費用と成果
・システム化で自動化する際の費用と成果
・機械を修理して使い続ける費用と新しく買う場合の費用と成果
・人のモチベーション・教育を管理する費用と外注した時の費用と成果

能率・効率を上げるための人件費・費用を使って、どれだけの成果を上げたかということ。

仕事で実践

自分は効率化を進めていると思っていても、その業務自体が、本来は不要な業務かもしれません。

無駄な効率化ばかりを進めているのであれば、生産性の低い仕事をしている人です。そういう人が上司であれば、組織自体の生産性も下がっていくでしょう。

能率を上げようとしているのか?
効率を上げようとしているのか?
生産性をよくしようとしているのか?

まずはこの3つを見分けられるようになりましょう。

 

 

ポイントの整理

・生産性の高い仕事をしているか?低い仕事をしているか?
・業務効率は高いか?低いか? そもそも無駄か?
・作業能率は高いか低いか? 外注出来ないか?